こんにちは、にゃはっぴーです。
今回は予期不安がある場合の車の運転についてどういうときに不安になるのか、それを防ぐ手立てはあるのかについて、自身の体験をもとに書いていこうと思います。
そもそもなぜ運転中に予期不安は起こるのか?
運転中は逃げ場がないだけではない
パニック障害の症状の一つに予期不安というものがあります。
予期不安とは「パニック発作が出てしまうのではないか」、「発作になったらどうしよう」などとまだ起きてもいない発作を心配し不安になりそれがもとで実際に発作を起こしてしまうというパニック障害の症状の中でもかなり厄介なものです。
電車やバスなどの公共交通機関や美容院(理髪店)、歯医などの逃げ場のない場所で起こりやすいです。
予期不安が起こりやすい場所や時間は人によって様々です。
私も色々なところで予期不安を感じてしまうのですが、一番厄介だと感じているのは車の運転中です。
例えば、電車に乗っている最中に予期不安が起きたとします。次の駅で降りれば不安は和らぎます。
バスについても同様です。
もちろんそれが元で待ち合わせ時間や出勤時間に遅れることはあると思いますが・・・。
最悪パニック発作が起きたとしても30分くらいじっとしていれば発作はおさまっていきます。
では車の運転中に予期不安が起こった場合はどうでしょう。
車を路肩に寄せて停車すれば危機回避できます。
しかし自動車専用道路や高速道路、トンネルを運転中に予期不安が起こった場合は逃げ場がありません。
予期不安を感じながらも、アクセルは踏み続けなければなりません。
不安感が最高潮に達してもトンネルや高速道路などで車を停車させれば大事故の可能性があります。
何が言いたいかというと、運転中の予期不安は他の人も巻き込む可能性が大きいという事です。
それとパニック障害の治療の際に用いられるSSRIや抗うつ薬などには、「眠気を起こすことがあります。服用中は車の運転、機械の操作などはしないでください。」と書いてある場合がほとんどです。
つまり交通事故などを起こした場合、こちらに過失が発生してしまいます。
私が運転中の予期不安が一番厄介といったのはこのためです。
自分一人ではなく加害者になる可能性があります。
もちろんパニック障害でない人も車を運転している限りは誰でも加害者になる可能性があるわけですが・・・。
じゃあパニック障害の人間は運転できないの?
私個人の意見を言えば、運転しない方が良いです。
しかし車がないと生活できない地域もあります。私もその環境で暮らしています。
私は生まれも育ちも島なので車がないと生活できません。一番近いコンビニまで車で20分かかります。一番近いスーパーまでは車で30分です。(山道)
一応歩いて行けるところに個人商店はありますが、「明治の美味しい牛乳」が400円位します。
なので車は必要不可欠です。
では車に乗って予期不安がでる自分がどのようにして高速道路の運転まで出来るようになったのかという疑問にお答えします。
少しずつ運転の距離を延ばして島の中は運転できるようになった自分。しかし高速道路は怖い。発作が出たらどうしようと怯えている。
実際に運転して加害者になるのが嫌だった自分が試した方法が「youtube」です。
YouTubeで「運転 高速道路」や「自動車 運転」などと検索すると運転者目線で撮影された様々な動画が出てきます。
その映像をパソコンでひたすら見ました。(画面の大きさの関係でスマホよりもテレビやPCで見ることをおススメします。)
思いつく限りの、ありとあらゆる不安を想像します。
当然、実際に運転しているわけではないのにかなり血の気が引いて心がざわざわします。
一種の疑似的暴露療法ですね。(自分で名付けました。)
私が体験した時は、実際にパニック発作が出たので、試される方は安心できる環境でご自身の責任においてお試しください。
そんな映像を繰り返し見ていると、風景が通り過ぎるスピードや逃げ場のないトンネルや追い越し車線を走る車に慣れてきます。
私の場合はYouTubeで慣れた後、妻の助手席に乗って高速道路を走りました。
そうすると不思議なことに何も感じないのです。すべてが予測の範囲内というか・・・もちろん少し不安感はあったのですが、予測していた通りの不安感だったので恐怖を感じることはありませんでした。
妻の助手席で3回ほど高速道路を走ったあと、実際に自分で運転をしました。
助手席に乗ってたのとは少し違い、不安感が多少は上がりましたが何とか運転が出来ました。
しかし出来ることなら運転はしたくはないです。
ある奇跡的な話
パニック障害になり高速道路や自動車専用道路での運転ができなくなった私ですが1度だけ何も不安感を感じずに高速道路を運転した話をします。
5年が経過した今でもなぜ予期不安に襲われなかったのかが自分でも説明が出来ません。
今から5年前の2012年の4月2日、私たち家族(妻と娘)は18切符を使って広島から名古屋まで鈍行列車の旅行をしました。
名古屋に一泊し翌4月3日、また鈍行列車で広島まで帰る予定でした。
大阪駅に差し掛かったころ、雨が急にひどくなり電車が動かなくなりました。(観測史上最大の大雨でした。)
その後なんとか電車が運転再開して姫路まで行くことが出来ましたがそこで電車の完全運休が決まりました。
姫路のホテルか駅で一泊しようかとも考えたのですが、家に猫を2匹残しておいたので放っておくことも出来ず、広島に帰るしか選択肢はありませんでした。
車の運転をしたく無い私は広島までのバスがないか探したのですが、ありませんでした。
この時点で広島に帰るには車(レンタカー)しかありません。
私は覚悟を決めました。
知らない道、土砂降りの雨、時間は18時だったので辺りは真っ暗。
パニック障害の人間じゃなくても運転するには最悪のコンディションです。
姫路の駅前でレンタカーを借り私は夢中で運転しました。
その時に思っていたことは「帰らなければ2匹の猫が飢え死にしてしまう。」、「妻と子供を無事に広島に帰らせるんだ。」という思いだけでした。
途中、福山サービスエリアにより晩御飯を食べてから広島に帰りました。
広島駅についてレンタカーを返却したのですが、車から降りた途端、私の膝がガクガクと笑っていました。
そう、まるでジェットコースターから降りた時の感覚でした。
姫路ー広島間244kmです。
普段4キロの高速や2キロのトンネルでも予期不安が襲ってきていた私が244キロを運転したのです。
これで、高速道路も克服したと思い込んだ私は2キロの距離でしたが、翌日もすすんで高速道路に乗りました。
結果、強烈な不安感が襲ってきて思わず高速の路肩に停車してしまいました。
なぜ?244キロも高速を運転できたのに・・・。
今考えても理由がわかりません。
そもそも理由を見つけること自体が無意味な気がしますが。
まとめ
パニック障害になっても車の運転に不安を感じない人も多々います。
一方で予期不安が強く車の運転ができない人も存在します。
本当は出来る範囲で、使っても大丈夫な交通手段で生活することがいいと思います。
しかし住んでる街の状況で、車で移動したいけど電車やバスしか移動手段がないとか、逆に電車やバスで移動したいけど車しか移動手段がないなど色々あると思います。
かといって仕事や子供の学校のことなどを考えると安易に引っ越すわけにもいきません。
私はパニック障害になって車の運転が苦手になり14年が経ちますが、車の運転については少しコツを掴みました。
そのコツとは車を運転するのではなく、○○に行くために車を使うと考えることです。
たったそれだけ?と思われるかもしれませんが、それだけです。
私の場合は〇〇に行ってお米を買う、そのために車を使う。○○で新作の映画を見るために車を使う。という具合に考えると少しは楽になります。
つまり車を運転することが目的ではないのです。車の運転は目的を達成するための手段にすぎません。
私の場合はYouTubeでの疑似的暴露療法と運転は手段という考え方で少しは楽になりました。
ですがこの方法で楽になれるのは私だけかもしれません。
パニック障害の予期不安というのは本当に多種多様です。
その為に皆さん苦労されていることを知っています。
今回は車の運転と予期不安について書かせていただきましたが、少しでも危ないと感じたら車の運転は絶対にしないでください。
予期不安を感じて車の運転を止めるのは逃げていることではありません。
適正なリスクマネジメントができている証拠です。
被害者になっても加害者になっても誰も得をしませんから。
この記事が少しでもパニック障害で運転が苦手になった方のお役に立てれば幸いです。
にゃはっぴーでした。
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