パニック障害の治療法にはカウンセリングや認知行動療法、ブレインスポッティングなどの色々な治療法があります。
今回紹介する森田療法もパニック障害の治療法の一つです。
パニック障害の治療法、森田療法とは?
森田療法とは1919年(大正8年)に精神医学者の森田正馬によって開発された精神療法です。
当時、森田氏はあがり症や神経衰弱、不安症などの治療をしていました。
森田療法の最大の特徴は薬を一切使いません。(現代の森田療法は薬を使うのが一般的です)
具体的な治療方法ですが、入院治療がメインです。(軽度の患者は通院で治療します。)
まず入院して一週間目は食事とトイレ以外何もしません。ベッドでずーっと横になっているだけです。
2週間目からは軽作業などで徐々に体を動かし、最終的に普通の生活に戻していきます。
森田療法の最大の特徴は「あるがまま」という教えです。
人間の脳は面白くできていて、不安な気持ちを抑えようと思えば思うほど、ますます不安が大きくなります。
森田療法ではこの状態を『囚われ』と定義しています。
簡単に説明すると、不安が不安をよんで心の中が不安でいっぱいになる、ということです。
私も含めパニック障害の経験者は実際に『囚われ』を経験していると思います。
「ここでパニック発作が出たらやだな」などと思えば思うほど、ヤバい状態になってしまいます。
森田療法ではその「不安でいっぱい」の状態の時に、あえてその不安な状態を自覚しそのまま何もしません。
気にしたところで不安な気持ちがなくなるわけではありません。
「ソラナックスを飲んでるから大丈夫」とか「発作が起きても死ぬわけではない」、「不安になってはだめだ」などと自分自身で自分の脳や感情を支配しようとします。
森田療法ではそのような行動はしてはいけないことになってます。
では、あるがままとはどういう状態のことを言うのでしょう。
「今、自分はパニック発作が起こりそうで不安です」それだけです。特別何もしません。ほんとそれだけです。
このある意味、座禅に似てますね。座禅も「無になる」と言います。
しかし座禅を組んで「無になろう、無になろう」と思っているうちは無にはなりません。
座禅の瞑想中に浮かんでは消え、また浮かんでは消える思考や感情をただそのままにすごします。
森田療法のあるがままとはまさにこの状態です。
そして森田療法では完治のことを悟りといいます。(ここで言う悟りとは仏教の悟りとは似て非なるものです。)
森田療法は歴史が長いことと、薬を使わないことで一部の精神科医、心理療法士、パニック障害患者、うつ病患者などに根強い支持者がいます。
私自身も森田療法のあるがままという受け止め方にかなり感銘も受けました。
大変良い森田療法ですが一点だけ注意が必要です。
その注意点とは森田療法においては病気が治らないのは患者本人に責任があるという考え方です。
その為、患者自身がますます自己嫌悪になり、病状が悪化することも考えられます。
私自身の考えでは、この点だけ注意しておけば役に立つ治療法だと思います。
ちなみに入院治療の料金ですが一般的には健康保険適用で1か月約30万円くらいです。
主要都市の附属病院や大規模な総合病院の精神科などでは森田療法(投薬あり)を取り入れている所が割とあります。
まとめ
パニック障害に限らず病気の治療法には沢山の選択肢があります。
その中から自分に合った病院、主治医、治療法などを探しましょう。
森田療法もその選択肢の一つです。同じ森田療法でも実践する先生によって少しづつ違いがありますし。
仮にその選択が間違っていたとしても、それは失敗ではありません、経験です。
私自身14年間で病院は5回変えていますし、パニック障害が良くなるDVDや健康食品を山のように買ってます。
計算したことは無いですが、医療費抜きで14年間で150万円くらいは使っています。
最初のころは「効かないじゃん!!」などと怒っていましたが、今となってはあるがままです。
「健康食品を買った、意味がなかった」ただそれだけです。
それでも私はまた新しい治療法を探して試すと思います。劇的にうまくいけばラッキーくらいの感覚です。
パニック障害になったばかりの方、長く患っている方、色々な方がいます。背負っているものも違います。
実際うつ病の方のコミュニティは結構あるのに、パニック障害者のコミュニティってあまりないですよね。
このサイトが私を含めパニック障害に悩まれている方の少しでもお役に立てれば幸いです。
にゃはっぴーでした。
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